この間の一コマ。

先日、授業を中3に向けてしているときですが、
私:「○○君。これ授業でいうたよな。」
生徒:「言ってない。言ってない。言ってない。」×3
私:「いや。ゆうた。ゆうた。ゆうた。」×3

というやり取りが、整数関係の問題で、解法について何回か
ありました。

私は良く「生徒に45億回くらい言ってるっすよ」
とまあオーバーな表現で言います。

一つにはそのくらい、重要で何度も言ってるところだから覚えてください。
というメッセージ。
それからともう一つは、NGワード。

「何べん言ったらわかるんだ」

これは自分の中ではNGワードなのです。

何もかも1回で覚えられる人というのはかなり人類の中でも
珍しい存在ではないかと思います。
基本的に何回も繰り返していかないと覚えられないとおもうのです。

そして、言葉というのは常に受け手側に主体があります。
言っただけでは、伝わったとは言えません。

だから、覚えさせられていない私が悪いのです。
覚えるまで何べんでもいうべきだし、
それを「覚えられないお前が悪いのだ」という言い方はあり得ない。
まあ、近いことはいう。覚えなければ、不合格という対価を支払うことになるよ。

また、わりと一般的に流通している言葉ですしね。
この間も息子は嫁に言われてました。
+お前アホか。+もうちょっと頭使えや。まで。
いや、ほんとにアホなので仕方ありません。
行動が軽率なのですね。
その点で父はフォローのしようがない。父のDNAを恨んでいいよ。

それはおいておいて、
A君は○○といいました。でも、B君は覚えてませんでした。
これは、ちゃんと伝えられないA君の責任だと私は考えます。
異論はあると思うのですが、塾の先生という立場で考えると
生徒に覚えさせられない。あるいは伝えられない講師の責任というのは
大きいと思います。

20人以上を相手にする予備校などの場合は別の考えがあるかもですよ。
前提として自分で考えて理解することがあるから。それを理解して入るわけですし、
だから、予備校でうまくいく生徒はそれがわかっているし、
また、生徒がこれでは理解できないと思えば、不人気な講座となるわけですね。

もし、私が生徒の立場で考えたら、覚えない自分にも責任はあるが、
ちゃんと覚えさせられない先生だって悪いじゃん。と思ってしまうのです。
で、覚えないことで自分は不合格という対価を払うけど、
先生は基本的に何も傷つかないじゃん。
ひねくれた中学生だったかもしれない。。。

覚えさせられないという部分を棚上げにして生徒のムナグラつかんで
俺の言うことを守れない奴は出ていけとオイコラな感じできると
きっと楽なんでしょうけど。。。
そんな昭和なにおいを感じさせる塾ももうないでしょう。

ただ、生徒に成果が出ればそれは塾の力。
生徒が成績不振なのは努力しないせい。
という考えはいまだにあるような気がする。
気がするだけかもしれないけど。

私はやはり逆だと思います。
成果が出ればそれは生徒ががんばったからで、
成績不振は努力させられない塾のせいだろうと思います。

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