昨日の続きです。
先日の道新Web版でもありましたが、職業系の倍率が上がっています。工業科や商業科の再評価ともいえるこの傾向には、2つの側面があると私自身は考えています。一つは、職業系高校からの進学実績の向上。もう一つは大学に対する選択眼が厳しくなったことではないでしょうか。
一つ目の職業系の進学実績の向上についてですが、推薦枠の拡大があります。例えば、啓北商業などは校内で上位に入ると小樽商科大学の進学が有利になります。基準を満たさなくても、上位に並ぶ成績があれば、北海学園大などは十分現役で合格が可能なのです。とすれば、将来についての可能性という点で就職にも強く、進学も可能。無理な選択ではないのです。
二つ目として、大学進学率が向上してくるとともに、就職に際して大学が絶対的なアドバンテージではなくなってきているということです。大学で何を学んできているかがより問われているといえるかもしれません。とすれば、資格が得られる(就職に役立つ)わけでもなく、社会に出て役に立つ能力を育てるわけでもない、また、就職に有利に働くほどのブランドでもない大学に進むのは時間とお金の無駄でしかないのではないか。このような考えが一般化しても不思議ではないと思います。ならば、いっそ就職に強く資格を得られる高校を選択するのもよいのではないか。
それが、下位普通科高校の不人気と職業系の学校の高倍率を生み出した背景にあるような気がします。
また、大学入試制度改革元年にあたる今年の受験生にとって、進学に関してもどの高校が最も有利であるかは、読み切れないのです。それは、中学校の先生にも高校の先生にも十分わかっているとはいいがたいのではないでしょうか。まさに、霧中での出港となるわけです。その中でコンパスとなれる塾が私たちであると思います。